萌芽更新とは
萌芽更新(ほうがこうしん、ぼうがこうしん)とは、主に広葉樹で見られる特性の一つで、伐採後の切り株から新しく芽がでることで、根はそのままにクローンである幹が更新されていくことを言う。
萌芽から成長した幹は成長するが、伐採された幹の根本は徐々に枯れていき、数十年経つと幹がドーナツ上に生えている様になる。紀州備長炭の生産をウバメガシの萌芽更新により代々続けてきた和歌山県には、200年間萌芽更新により成長し続けているものもあるという。
コナラやくぬぎと言った落葉広葉樹、カシやツバキなどの常緑広葉樹どちらにも見られる特徴である。
タネから出る実生よりも成長が早いことが特徴で、伐採後の林冠ギャップを素早く埋めることができるが、萌芽そのものの密度は粗めで、強度よりも成長量を優先していると考えられている。
萌芽の種類
萌芽は、幹萌芽と根茎萌芽に分けられる。高いところから発生する幹萌芽は、幹が枯れるとそのまま萌芽も枯れてしまうが、根茎萌芽は、元々の株が枯れても独立して生存が可能である。伐採高を高くすると、幹萌芽の発生が多くなり、伐採高を低くすると、根茎萌芽の発生が促される。
新たな幹として、萌芽更新させるためには地際に近いところで低切りや、切り戻しをする必要がある。
和歌山のウバメガシの択伐技術においては、地面から握り拳一つ分の高さを一つの目安にしている。
参考資料研究:ウバメガシの萌芽更新に及ぼす伐根直径と伐採高の影響
あまり直径が太くなりすぎたものは萌芽更新する確率が低くなるが、それも樹種によって様々であり、研究段階である。コナラにおいては切り株直径が20センチを超えると萌芽率が下がるとも言われている。
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