【実例から学ぶ】これだけは覚えとこう。クマと遭遇したときに生存する可能性が高い対処法!

広葉樹

はじめに

最近何かとクマのニュースをよく聞きますよね。実際、2023年の4月から11月の間に起きたクマの人身被害は過去最多であり、いままでにないほどクマが人里に出没しているようです。

クマは1日に100キロ近く移動し、特定の縄張りを持ちません。そのため、今までに見なかった場所で急に遭遇する可能性もあります。

今回は、実際のクマとの遭遇事例を見ながら、「自分の身を自分で守る」という意味でもクマの特徴と対処方法を知り、事故を未然に防ぎましょう。

ではここから、クマの簡単な特徴と対処法について解説していきます。

クマの特徴

外見

外見の特徴
日本に生息するクマは北海道に生息するヒグマと、本州以南に生息するツキノワグマがいます。

ヒグマは、体長は2.0〜2.3m、体重は150〜250キロとされています。日本では最大の陸上動物です。
基本的に唯一の外見をしており、見間違えることはほとんどありません。

ツキノワグマは、胸に特徴的なV字型のクリーム色の斑を持っています。子熊は顔が丸く、大人に比べて毛皮が明るい色をしています。おおよそ体長1.2~1.5mで、体重はオスが80キロ程度、メスが50キロ程度です。クマの種類の中でも小型の種類です。

生態

  • 3~5月:冬眠からあける
    冬眠から目を覚ましたクマが穴から出てきます。オス、子のいないメス、子グマを産んだメスの順番で出てくると言われています。
  • 5~7月:繁殖期
    オスはメスを求めて広い範囲を動き回ります。
    この時期のオスは子連れのメスと遭遇した場合、子供を殺してしまうことがあるため、オスを避けた子連れのメスが、市街地付近に出没しやすくなります。
  • 10~11月:食いだめ期
    冬眠に向けて、食べ物をたくさん食べます。基本的にはこの頃はどんぐりなど山の食料を食べて準備しますが、山に食料が少なかったり、一度人間の食料の味を知ったクマが、人里に降りてきます。
  • 12~3月:冬眠・出産
    冬になって食べ物がなくなると冬眠します。
    ただし妊娠したメスは、冬眠中に出産し、春に穴から出るまでの間で子グマを育てます。

日本のクマは基本的に臆病で慎重な性質を持っていますが、空腹時や子熊を守る時、驚かされた時、獲物を奪われると感じた時、冬眠できない時に攻撃的になることがあります。
最近ニュースになっているのは冬眠前にさまざまな理由で山の中に餌がなく、人里に降りてきた空腹のクマではないかと思われます。

ヒグマは基本的に植物を食べ、植物の新芽やどんぐりといった果実を主に食べますが、昆虫やシカなどの動物性のものも食べます。北海道では甜菜などの農作物や、乳牛などの家畜がクマに食べられるといった被害も発生しています。

ツキノワグマも同様に基本的には植物を食べますが、特にブナやシイなどのどんぐりを好み、秋には冬眠のために大量に食します。
動物や魚の死骸があるとそれを食べたりもします。

走る速度は時速40キロ程度になることもあります。

注意するべき場所や時間、季節

場所:基本的な生息域はブナやシイなどの広葉樹の森です。特に秋にはどんぐりなどの餌が豊富にあるため、可能性が高まります。

時期:春に冬眠から目覚めた時と、次の冬眠の前に食糧を求める秋に熊に遭遇する可能性が高まります。

時間:昼夜を問わず遭遇することがあります。最近の頻出の理由は冬眠前の食材探しと予想されます。

しかし、基本的な餌であるブナの実や、どんぐりは年によって豊作の年とそうでない年があり、それらの実が山になくなる年があります。そのような時に、クマは餌を求めて活動エリアを広げ、人里まで降りてきたりもします。
だいたいの場合、豊作と凶作は1年ごとにくることが多いため、どんぐりがたくさん落ちていたら、次の年はクマが人里に降りてくる可能性も高いと思われます。

対処方法

基本的に臆病であり、びっくりすると襲ってくる確率が高まるため、すずで音を鳴らす、歌を歌うなどして人間の存在をアピールすることが大切です。
しかし人に慣れたクマが増えてきており、クマ鈴や、クマ撃退スプレーが確実とは言い切れなくなっています。

まずは基本的に鬱蒼とした山の近くには近づかない。近付く場合でも徒歩ではなく車など簡易的に避難ができるものでいく。などの対策を行うことが重要です。

事例①:クマ撃退スプレーを用いて撃退!

クマと測量中に遭遇、撃退スプレーで追い払う 島根県浜田市 | 中国新聞デジタル
 7日午前11時15分ごろ、浜田市三隅町黒沢の林道で、測量をしていた作業員2人がクマに遭遇し、撃退スプレーで追い払った。クマは山に逃げ、作業員にけがはなかった。県河川課によると、現場は御部ダム近くの山...

こちらの記事は、島根県でクマと遭遇してしまった方が、クマ撃退スプレーを用いてクマを撃退したというものです。

クマ撃退スプレーとは、カプサイシンが入ったスプレー。簡単にいうと唐辛子の辛い成分を凝縮したスプレーで、顔等にかけることで痛みによってクマを撃退できます。


林業に従事していたり、山の近くの畑に行くことがある場合には装備しておいて損はしないでしょう。

事例②:中段蹴りで撃退!

2頭のヒグマと遭遇した男性 命がけで反撃 空手の"蹴り"でクマ撃退 北海道名寄市
名寄市で4月25日、旅行中の男性がクマに襲われケガをしました。男性は反撃しクマは逃げていきました。「クマが一瞬こっちへ飛び掛かりそ…

こちらはクマに遭遇し、襲われたもののとっさに中段蹴りで撃退したというニュースです。

「生き残れてよかった」と話していたともいい、普段からスプレーなど最低限の装備をしておくことが重要です。

また、どちらかというとクマは臆病であると言われており、クマが先に認知していれば遭遇しないようにするといわれているため、クマ鈴などできるだけ自分の存在を知らせて、事前に人間がいると認知をしてもらうことで、不用意な遭遇を避けることができます。

事例③:蹴りで撃退!

男性がクマを蹴って撃退「運が良かっただけ…逃げてくれて助かった」 北海道名寄市|STV NEWS NNN
4月25日、北海道名寄市智恵文の林道で旅行者の50歳男性がクマ2頭に遭遇し、近づいてきた1頭を蹴って撃退しました。男性にけがはありませんでした。

こちらは北海道で男性がクマに遭遇し、撃退したというニュースです。こちらもおそわれたためなんとか蹴りで撃退したという様なニュースでした。

車の中に咄嗟に逃げ込める状況だった様です。

事例④:クマよけスプレーで撃退!

熊よけスプレーで助かった方のお話です。

事例⑤:蹴りで応戦!

0歳息子抱いて…目前に3頭が 21歳母が“クマ撃退”どうやって?
 0歳の赤ちゃんを抱いた母親が突然現れたクマを撃退しました。  岩手県の自宅近くでクマに遭遇したのは斉藤歩叶さん(21)と生後1カ月の長男・桜虎ちゃん。 クマに遭遇した斉藤歩叶さん 「犬がすり寄るような『クゥーン』みたいな、甘える時に出すような声があるじゃないですか。それが聞こえたんですよね、結構近めに」  3頭...

クマが襲ってきたため、蹴りで応戦したというニュースです。
蹴って怯んだ隙に、自分の子供を連れて逃げたとのことです。

応戦した男性は、元自衛官でした。

まとめ

以上の事例では、

  • クマ撃退スプレー
  • 蹴り

という2つを紹介しましたが、どれが絶対に撃退できるというものはありません。

昔は漁師の数も多く、人間は怖いものという認識がクマにもあったと思われますが、森林に人間が関わらなくなってから数十年、人里と森林の境界は曖昧になり、人間はクマにとって怖がる対象ではないのかもしれません。

このほかにも、テントの中から殴ったとか、いくつか撃退した事例はありますが、まずはクマと遭遇しそうな場所にはできるだけ1人では近づかない。ということが大切です。

特に4月〜11月ごろまでは山の近くにはクマがいる可能性が高いと考えて用心することがとても重要です。

もしそのような場所に行く場合には

  • クマ撃退スプレー
  • 避難できる車
  • 携帯ナイフなど
  • クマよけ鈴

など、万全の準備をして、危険を未然に防ぎましょう。


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