熊を倒すと○万円?!野生動物を駆除した時の報奨金額: 有害鳥獣駆除を担う人・手続き・補助金(報償金)の基礎知識

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有害鳥獣駆除とは? 担う人・手続き・補助金(報償金)の基礎知識【2025年版】

近年は人身事故や農林業被害が増え、有害鳥獣駆除(行政の許可にもとづく捕獲)への関心が高まっています。

本記事では、仕組み(法的枠組み)誰が担うのか始めるまでの手続き、そしてクマを含む主な鳥獣の補助金・報償金の実例を、初めて調べる方向けにわかりやすく整理します。

なお、金額は自治体や年度で大きく変わる点にご注意ください

1. 有害鳥獣駆除とは

鳥獣保護管理法にもとづき、市町村や都道府県の許可を得て行う、被害防止のための行政捕獲です。
目的はレジャーではなく、人身の安全確保農林水産業の被害軽減。国は市町村中心の対策を支援し、鳥獣被害防止総合対策交付金などで後押しします。
指定管理鳥獣(例:シカ等)の個体数調整や広域的な捕獲は環境省の事業も関わります。

また、2025年9月施行の法改正により、条件を満たす場合は市街地等での「緊急銃猟」を市町村長判断で実施できる枠組みが整いました。人の生活圏でクマが出没し危険が差し迫る場面を想定したものです。

2. 担う人

  • 市町村(主管):被害相談の受付、許可申請・発出、従事者の委嘱、現場の安全管理、周知・精算まで。緊急銃猟に備え、手順や保険、訓練の整備が進んでいます。
  • 従事者(実動):地域のハンター(猟友会など)や有害捕獲の経験者。銃猟・わな猟など、免許種別に応じて現場を担います。
  • 警察・消防:状況に応じて区域規制や避難誘導、通報体制の連携など、人身安全の確保を担当。特に市街地対応では綿密な連携が必須です。

一言でいうと:市町村が発注者、従事者が実動、警察・消防が安全確保。この三者連携で動くのが基本です。

3. どういう手続きで関わることができるか

  • ① 狩猟免許を取得:銃(第1種/第2種)・わな・網のいずれか。扱う猟具に合った免許が必要。
  • ② 銃なら「銃砲所持許可」:講習→考査→教習射撃→保管庫など、公安委員会の手続きを経て許可を受けます。
  • ③ 市町村の有害捕獲従事者に委嘱・登録:地域の対策チームに参画し、従事者証や腕章の交付、運用ルールを共有。
  • ④ 許可にもとづき実施:市町村が都道府県(または環境事務所)に申請→許可後、場所・期間・対象種・方法の条件内で実施。終了後は実績報告と許可証の返納までが一連です。
  • ⑤ 市街地の緊急銃猟(新制度):危険の切迫など要件を満たすと、市町村長判断で実施可能(自治体の手順・訓練に従う)。

ポイント:狩猟期の「狩猟者登録」と、行政の「有害捕獲(許可捕獲)」別枠です。許可条件が細かく、報告や安全管理も厳格です。
自治体によって有害鳥獣駆除の申請の受付に差があることにご注意ください。

4. 補助金・報償金の仕組み(どう支払われるか)

現場で活動する従事者への支払いは、自治体の要綱にもとづく日当・出動手当・頭数報償金などの組み合わせが一般的です。
自治体によって金額には差がありますがおおよその相場は同じです。

財源の一部として、農林水産省の交付金(鳥獣被害防止総合対策交付金)や、環境省の指定管理鳥獣対策事業が活用されます。これらの交付金は市町村・都道府県向けで、個人への直接支給ではありません。

5. いくら出る?(2024〜2025年の公表・報道ベースの例)

対象自治体・出典支給水準(例)備考
ヒグマ/ツキノワグマ北海道内15市町村1頭あたり 3万〜8万円台国の新交付金活用で引上げの動き。
ヒグマ(出動手当の例)北海道・奈井江町(報道)日当+時給加算+捕獲時2万円(例:8時間で4万1600円年度で運用変更あり。
ツキノワグマ広島県東広島市(告示)1頭 5万円市の有害鳥獣捕獲報償金交付要綱に明記。
イノシシ広島県東広島市(告示)1頭 7千円証拠品(尾)など提出条件あり。
ニホンジカ広島県(県資料の相場)1頭 2千〜1万2千円(例)市町で差。処理先等で変動。
ニホンジカ(成獣)栃木県鹿沼市(市制度)計1万5千円(国+県+市の合算例)内訳を公開。
ニホンザル(成獣)栃木県鹿沼市(市制度)計1万8千円(合算例)幼獣は別額。 [oai_citation:15‡栃木市鹿沼市]

注意:これはあくまで例示です。頭数報償金・日当・燃料や弾薬の補助・出動加算などの内訳は自治体ごと、年度ごとに見直されます。クマは人身リスクが高く、単価や日当が引き上げられる例が増えていますが、財源や人員確保の状況で水準は変わります。

6. 支給の内訳

  • 頭数報償金:捕獲1頭あたりの定額(例:クマ3〜8万円台、シカ・イノシシは数千〜1万円台)。
  • 日当・出動手当:待機・探索・監視・回収などの従事に対して支給(例:奈井江町は時間加算・緊急時増額の報道)。
  • 経費補助:燃料・弾薬・罠資材・防護柵・搬送など(交付金は自治体向け。個人は市の制度経由で間接的に)。
  • 処理・搬送費:焼却・解体・検査・搬送の実費相当の補助が付くことも(自治体要綱参照)。

7. 参加を検討するまえに

まずは免許と(銃なら)所持許可を整えることが入口です。次に、地元の猟友会市町村の担当課に相談し、その地域の従事者委嘱の流れ要綱(報償金・日当・保険・安全手順)を確認しましょう。現場では許可の条件(区域・対象・時間・方法・弾種など)を読み込み、終了後の報告・返納までが仕事です。市街地対応が増える今、警察・消防との連携訓練や通信手段の準備も重要です。

8. まとめ

有害鳥獣駆除は市町村主導の行政捕獲で、許可・安全管理・記録と報告が前提です。
金額の目安は、クマで1頭3〜8万円台、シカ・イノシシで数千〜1万円台の例が見られますが、自治体と年度で差が大きいため、最終確認は必ず最新の要綱・告示で確認。
関わり方の基本は、免許 →(銃なら)所持許可 → 市町村の委嘱 → 許可条件に沿った実施と報告です。

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